国土交通省は4月21日、完成検査制度の見直すために設置した検討会が中間とりまとめを策定したと発表した。
2017年秋以降、日産自動車やスバル、スズキなど、複数の自動車メーカーで完成検査での不正が相次いで発覚したことを受け、国土交通省は、「適切な完成検査を確保するためのタスクフォース」を設置し、2018年3月に検討結果をとりまとめた。その中で、適切な完成検査を確保するための方策として、ルールの規範性向上や、自動車メーカーに対する監査の見直しが提言されたことに加え、「技術進展に対応した完成検査の改善・合理化の促進」が掲げられた。
これを受けて2019年4月に設立した「完成検査の改善・合理化に向けた検討会」が議論し、今回て「型式指定制度における完成検査の改善・合理化の方向性」中間とりまとめを策定した。
それによると完成検査制度は、国が行う新規検査に代わり型式指定自動車の保安基準適合性を1台ごと確認するもので、完成検査での不適合車両検出でリコールに至る事例が確認されていることも踏まえると完成検査は必要不可欠と位置付けた。生産・検査技術のレベルに応じて品質管理の手法が自動車メーカーごとに異なることから、従来通り完成検査の詳細な実施方法については画一的に規定しないこととする。
完成検査の高度化・合理化では、自動化検査の導入を促進するため、今後、要件などを整理して実証評価する。工程内検査については、2018年10月の省令改正などで完成検査員による工程内検査の申請が可能なことが明確化された。今後、自動車メーカーと連携して工程内検査の導入事例の情報を共有しながら適正な運用を促していく。
先進安全自動車の完成検査については自動車メーカーごとに技術の設計思想やシステムの複雑さが異なることから、技術や基準に係る動向を踏まえて継続的に検討する。
国際調和の観点からの型式指定制度のあり方ではISO9001など、国際規格の活用範囲の見直しや、協定規則に基づく検査の実施の明確化、検査結果の分析及び基準不適合車両検出時の措置の要件導入などを検討する。
市場情報を活用した品質管理については、使用過程時の走行データを用いた品質管理や型式指定監査の合理化可能性についてコネクテッド技術の進展を踏まえて継続的に検討する。
監査の合理化では、自動車メーカーによる車両情報取得や完成検査結果の電子化の状況を踏まえて、これらのデータを活用した効率的で効果的な監査手法を検討するとしている。
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April 22, 2020 at 08:15AM
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