(CNN)ラトクリフ米国家情報長官は21日、イランとロシアが米大統領選への介入を試み、有権者の登録情報を入手していると明らかにした。イランは極右団体「プラウド・ボーイズ」を装って有権者を脅すメールも送信したという。
ラトクリフ氏はレイ連邦捜査局(FBI)長官と共に開いた記者会見で、プラウド・ボーイズから送信されたように見せかけたメールについて、イランが関与した工作だったと指摘。メールの一部に動画へのリンクを貼り付け、この動画を通じて投票不正に関する偽情報を拡散する手口もあったと明らかにした。
ラトクリフ氏は「こうしたデータは、登録有権者に偽情報を伝える目的で外国勢力によって利用される可能性がある」と述べ、工作の狙いは混乱を引き起こし、米国民の民主主義への信頼を傷つけることにあるとの見方を示した。
さらに「我々はすでに、イランが有権者を脅し、社会不安を扇動して、トランプ大統領に打撃を与える目的でなりすましメールを送る例を目撃している」と述べ、20日に報道された事案に言及した。
20日に報道されたメールは「info@officialproudboys.com」というアドレスから送信され、「トランプに投票せよ」と脅す内容。トランプ氏に打撃を与える目的で送信されたという発言の真意について、ラトクリフ氏は詳しく説明していない。
ラトクリフ氏は共和党所属の元連邦議員で、今年に入り国家情報長官に抜てきされた。民主党員や情報機関OBからは、同氏がトランプ陣営を支援するため、大統領を前に都合のいい情報だけ機密解除しているとの批判が出ている。
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