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Monday, November 23, 2020

無料&高品質でさまざまな古典作品を電子書籍化するプロジェクト「Standard Ebooks」の目的とは? - GIGAZINE


高品質で誰でもアクセス可能で、オープンソースで無料のパブリックドメインの電子書籍を、市販されている電子書籍と同等以上のクオリティで作成するボランティア主導の非営利の取り組みが「​Standard Ebooks」です。​

Standard Ebooks: Free and liberated ebooks, carefully produced for the true book lover.
https://standardebooks.org/

実際にStandard Ebooksでどんな作品が公開されているのか、その使い方については以下の記事を読めばよくわかります。

ホームズからアリストテレスまで無料で古典の傑作をサクッと読み放題な海外版青空文庫「Standard Ebooks」 - GIGAZINE


公開されている電子書籍はすべて無料で読むことが可能。Standard Ebooksの電子書籍に使われている表紙はプロジェクトの参加者が描いたり用意したもの。電子書籍のファイルはEPUB形式、Kindle向けのAZW3形式、Kobo向けのKEPUB形式、Advanced EPUB形式で配布されているほか、ブラウザ上でそのまま読めるページも用意されています。


文章の段組みは非常にシンプルで、読みやすい構造になっています。​Standard Ebooksでは、電子書籍をリリースする前に可能な限り多くの誤字脱字を修正するために、元のページのスキャンと照らし合わせながら注意深く完全に読み進められているとのこと。​もし誤字や脱字を見逃したとしても、電子書籍はソース管理システムであるGitのリポジトリに保存されているので、誰でも簡単に訂正を提出することができます。


パブリックドメインの作品を電子書籍化して、インターネット上に公開しようという試みは、すでにプロジェクト・グーテンベルクが1971年から行われています。プロジェクト・グーテンベルクはEPUB形式やKindle向け形式のファイルをホストしていますが、電子書籍の質が統一されておらず、中には表紙画像やタイトルページのような細かい部分が欠けたものも多いとのこと。また、研究者やアーキビスト向けに作成されているため、カジュアルな一般読者にとっては読みにくいものになっています。

そこで、Standard Ebooksは一般読者でも読みやすい電子書籍を作成するべく、以下の5つの目的が定められています。

1:​最新の電子書籍技術標準を採用した電子書籍を作成する。
2:​市販されている電子書籍のタイポグラフィや形式と同じクオリティで、現代の読者の感性を対象とした電子書籍を作成する。
3:​他の電子書籍プロジェクトのベースとして使用できるように、さまざまな形式標準に沿った電子書籍を作成する。
4:豊富なセマンティック・データと、機械処理が容易で予測可能な構造を持つ電子書籍を作成する。
5:​世界のパブリックドメインを充実させ、普及させる。

つまり、Standard Ebooksは単なるオープンソースの電子書籍化プロジェクトではなく、「一般的な読者を想定した上で、帯やしおりといったエフェメラを排除し、現代の電子書籍技術を最大限活用した上で古代の一貫した標準に基づいた内容と品質の電子書籍を作成する」というコンセプトで進められているプロジェクトです。Standard Ebooksの活動はすべてGitHubにホストされており、透明性が高く誰でも簡単に修正や改善を行うことが可能になっています。

Standard Ebooksは「​私たちは、作成した電子書籍をパブリックドメインで公開しています。そうすることで、Standard Ebooksの電子書籍は『Free(無料)』になるだけではなく『Libre(自由)』になります。世界中の人々は、より自由な文化を享受するに値します」と述べています。

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